日本企業のコクヨが約4兆7000億ドン(約276億円)を投じてティエンロン(TLG)株式を取得した背景には、同社がベトナム文房具市場で圧倒的な支配力を持つ点がある。ティエンロンはボールペン市場で約60%のシェアを握り、全国34省・市に流通網を展開し、製品を74カ国・地域へ輸出している。1981年の小規模工房から出発し、早期の工業化移行とR&D強化により「国民ブランド」として定着した。
業績は長期的に堅調で、2024年には売上3兆7720億ドン(約221億8824万円)、利益4600億ドン(約27億588万円)と過去最高を記録した。国際市場は FlexOffice を中心に急伸し、海外売上は1兆ドン(約58億8235万円)を突破した。2025年9カ月累計では、製品ポートフォリオの再構築により粗利益率が50%近くに改善した。
財務基盤も極めて健全であり、総資産約3兆8000億 ドン(約223億5294万円)のうち1兆1000億ドン(約64億7059万円)超が現金・預金、借入金は6000億ドン(約35億2941万円)強にとどまる。自己資本は2兆5000億ドン(約147億588万円)を超え、未配分利益も豊富である。この強固な財務体質と高い市場支配力が、日本企業を含む戦略投資家を惹きつけた要因である。
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