2025年、ベトナムは一人当たり国民総所得(GNI)を約4,750USDにまで引き上げ、世界銀行基準で「中所得国下位」水準を脱却する見込みである。これは2020年の3,400USDから約1.4倍の成長にあたり、同年のGDPは約5100億USDに拡大し、ASEANでは第4位、世界では第32位となる見通しである。
2025年上半期のGDP成長率は7.52%(第1四半期:6.93%、第2四半期:7.96%)で推移しており、政府は年間成長率8%以上を達成する目標を掲げている。政府は経済成長とともに、インフレ抑制、財政バランス維持、雇用創出などマクロ経済の安定も重視している。
民間経済は活発化しており、GDPの約51%、国家財政収入の30%以上、労働力の82%を担っている。2025年以降は民間経済を国家経済の主要な成長エンジンと位置づけ、関連政策の刷新が進められている。大規模な民間企業グループも多業種に展開し、国際競争力を高めつつある。
加えて、政府は社会政策にも注力しており、2025年8月末までに全国の仮設住宅・老朽住宅の完全解消を目指している。すでに268,470戸を支援済であり、そのうち5万戸以上は功労者向けである。住宅政策に加え、社会保障分野でも改革が進行中であり、2025年度より幼児から高校までの無償教育を実施。さらに、国境地域の248村での小中一貫校の設立や、医療保険支援の拡充も進められている。
また、戦略的インフラ整備への投資も強化されており、空港・港湾・高速道路・高速鉄道など、広域・越境型プロジェクトに重点が置かれている。経済・社会両面の包括的な改革を通じて、ベトナムは持続的成長と中長期的発展基盤の強化を図っている。
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