ベトナム第8次電力計画の調整と展望
ベトナム商工省は2025年2月12日、全国の電力計画「Quy hoạch điện VIII(第8次電力計画)」の調整について、審査会議を開催した。会議には商工省のグエン・ホン・ディエン大臣をはじめ、政府関係者やエネルギー関連企業の代表者が参加し、電力供給の拡大と脱炭素化に向けた方向性が議論された。
ディエン大臣は、2025年の経済成長率を最低8%とし、2030年までに2桁成長を目指すという政府目標を示した。そのためには、電力供給を現在の2.5〜3倍に拡大し、2050年までに5〜7倍に増やす必要がある。また、ベトナム政府はカーボンニュートラル達成を目指し、化石燃料依存を減らしながら、再生可能エネルギーや原子力発電の開発を加速する方針を示した。
具体的には、風力・太陽光発電の拡大を推進し、電力の安定供給を支える基盤として、天然ガスや液化天然ガス(LNG)、原子力発電を導入する。また、電力の地域間バランスを調整し、電力輸出を強化することで、経済成長とエネルギー政策の整合性を図る。
さらに、商工省は2024年に改正された電力法の施行を進めており、同法に基づく関連規定の整備を急いでいる。これにより、電力市場の自由化を促進し、発電、卸売、販売の各段階で競争力のある市場を形成する計画である。また、電力価格の透明化を進め、需要に応じた価格設定を導入することで、エネルギーの効率的な利用を促す。
技術的な側面では、スマートグリッド(次世代電力網)の導入が不可欠であるとされ、国内の電力網強化に向けた投資が求められる。特に、分散型の再生可能エネルギー発電を効率的に活用するため、陸上・海底の送電網の強化が急務となっている。
今後、政府は第8次電力計画の最終調整を進め、2025年2月28日までに正式な計画を承認する予定である。この計画が実施されれば、ベトナムの電力供給能力が飛躍的に向上し、持続可能なエネルギー政策が確立されると期待される。
