ベトナム北部への投資が過熱?
ベトナム北部地域の工業団地や経済特区が投資先として脚光を浴びている。近年、この地域への投資は大きく伸びており、主に電子機器や電子製品の製造 などの分野で外資系企業からの投資が盛んになっている。
ベトナム北部地域における、電子機器等製造への投資額は、ベトナムへの投資総額の19%を占めている。また、複数の太陽光パネルメーカーがベトナム北部への移転を進めており、ベトナム国内の太陽光パネルメーカーの約77%が北部に進出している。(Savills Vietnam)
ベトナム北部に投資している外資系企業には、Samsung、LG Electronics、Foxconn、Hyundai、Vinfastなどのグローバル企業や、大手日系企業がおり、ベトナム北部地域の経済発展を牽引している。
ベトナム北部への投資が増加した背景として、去5年間でベトナム北部のインフラが大幅に改善され、Hai Phong港、Lach Huyen港、Cai Lan港などの主要港を結ぶ高速道路プロジェクトが相次いで実施され、経済特区・工業団地へのアクセスが向上した点が挙げられる。
これにより、自動車、電子機器、太陽光パネル等の製造といった分野の大型プロジェクトに適した土地が供給されるようになった。
一方で課題としては、ベトナム全国の土地賃貸料の上昇が挙げられる。特に新規進出を目指す企業にとっては、上昇する賃貸料がビジネスの参入障壁となる可能性がある。
この課題に対する適切な対処が求められつつも、今後もベトナム北部地域への投資が増加し続けると予想される。 ベトナム北部地域における潜在的なリターンの大きさは、引き続き多くの企業を誘引する大きな理由となる。