ベトナムにおける半導体産業の現状
ベトナムの半導体分野は、インテル(Intel)、サムスン(Samsung)などの大手外資企業が数億~数十億米ドルの投資を行っており、多くの企業が進出先として注目している。DXの加速に伴い、半導体の設計・製造は電子技術及びテクノロジー分野でより重要となっている。
半導体の製造にはいくつかのステップがあるが、現在のベトナムは主に組み立て、テスト、パッケージングの領域に特化しており、世界の半導体産業の後工程で重要な役割を担っている。 2024年までに、ベトナムの半導体市場規模は、61.6億米ドルを超えると予測されている。
インテルは世界有数の半導体メーカーの1つである。約10年前からベトナムで工場を建設し、約10億米ドル規模の投資を行った。インテルの世界全体の生産量の50%以上がベトナムで製造されており、インテルの最大の組み立て・検査の拠点となっている。2021年にインテルは投資額を約15億米ドルに増額し、ベトナムの工場の拡大を計画している。
また、サムスンも半導体部品の製造計画をベトナムで進めている。Samsung Electro-Mechanics Viet Namでの半導体製品の生産は、2023年末に予定されている。
外資企業の動向
現在ベトナムでは、Hana Micron Vina(韓国)、Amkor Technology(韓国)、Hanmi Semiconductor(韓国)、Infineon Technologies AG(ドイツ)、Synopsys(米国)、Victory Giant Technology(中国)など多くの大手外資企業が、半導体工場への積極的な投資を行っている。
2023年9月には、米国とベトナムが関係を「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げし、科学、技術、イノベーションの分野での綿密な協力について対談を行った。特に半導体分野では、多くの米国半導体企業がベトナムの半導体産業の発展に協力、支援したいと考えている。Marvell Technologyも、ホーチミン市に半導体設計センター及びIC設計センターを設立すると発表した。
外資企業のプロジェクトに加え、ベトナム国内の一部のテクノロジー企業も半導体の研究、設計、製造に取り組んでいる。具体的には、FPT Semiconductor、CMC、Viettelなどが挙げられる。
ベトナムの半導体産業は急速な成長を遂げており、グローバルな半導体市場において重要な位置を確立しつつある。インテルやサムスンなどの大手企業は、ベトナムのポテンシャルを早くから注目し、積極的な投資を行ってきた。また、ベトナム国内のテクノロジー企業も、半導体の研究や設計、製造に関わる事業を拡大している。このような背景から、ベトナムは半導体産業の新たなハブとなるポテンシャルを秘めている。今後も投資が増え続け、技術の進化と共に、ベトナムの半導体産業はさらなる飛躍を遂げることが期待される。