ベトナム商工省(MOIT)とアジア太平洋経済協力(APEC)が共同でベトナムの物流業界におけるDX促進をテーマにしたセミナーを9月7,8日に開催した。このセミナーは、物流業界におけるDXの方向性や課題、そして解決策についての議論の場として、APEC加盟国、特に新興国や発展途上国の物流業界が、DXを成功させ、効率的で持続可能なビジネスモデルを築くことに資することを目標としている。。
セミナーの背景として、ベトナムを含む新興国や発展途上国を中心としたAPEC加盟国の物流業の中小企業が、DXの過程で直面する課題への対応が求められている。そして、これらの課題に解決するための政策や対策に焦点を当てることも必要である。ギャップの解消、デジタル技術の強化、デジタルインフラへの拡大といったテーマが中心に取り上げられた。
コロナ禍により、物流業界のDXが加速した。特にベトナムでは、2019年から2022年の間にDXの動きが顕著となっており、多くの物流企業がその取り組みを進めている。ベトナム物流人材育成協会(VALOMA)の調査によると、81%の物流企業がDXを非常に重要と位置づけている。この結果はベトナムの物流業界のDXへの前向きな姿勢を示している。さらに、56%の物流企業の代表は、DXが企業の収益増加に有効であると認識している。
DXの影響は多岐にわたり、特にトラックや宅配車両の燃料費の節約が顕著である。S&Pグローバルによると、航空・水上・鉄道の物流サービスでの燃料費は50%節約されており、トラックや宅配車両では69%の節約が確認されている。
しかし、DXの推進は一筋縄ではいかない。資金調達や技術導入のための人材不足など、さまざまな課題が存在している。これらの課題を克服し、物流業界の持続的な発展を実現するためには、企業の取り組みだけでなく、政府や関連機関からの支援が不可欠となる。
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