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環境・再生可能エネルギー

ベトナム・チン首相が洋上風力発電で豪州電力会社と会談

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ベトナムで洋上風力発電への投資が加速している

ベトナム政府は、2021年11月に開催されたCOP26において、2050年までのカーボンニュートラル達成目標を表明した。その実現のため、国を挙げてGX政策が推進されており、現在、洋上風力発電や水素活用等を通じた、脱炭素分野における投資が加速している。

ベトナムは東南アジアで最も風況が良い国の1つ 出所:アメリカ国立再生可能エネルギー研究所

世界銀行の調査によると、ベトナムには理論上、475GWの洋上風力発電の可能性があるとされている。また、デンマークエネルギー庁によると、ベトナムは162GWの事実上に実現する可能性があるとの報告がある。

さらに、近年、ベトナムでの洋上風力発電のコストが急減する傾向がみられている。世界風力協会(GWEC)のレポートによると、2010年の洋上風力発電の価格は255 USD / MWhであったが、2020年までに83 USD(67.5%減)となった。2025年には58USDに達すると予想されており、更に 30.1%に減少する可能性がある。ベトナムで風力発電の開発における、M&Eや設備等のローカリゼーション率(国内化)は最大50%で、外国投資家にとって、コスト削減には大きな利点を持つと考えられる。

これらの動向を踏まえ、世界各国のエネルギー会社が、ベトナムのエネルギー転換に大きな関心を寄せている。

ベトナム・チン首相がオーストラリア電力会社と会談

3月8日、オーストラリア・キャンベラにて、ベトナムのフム・ミン・チン首相と、オーストラリアの風力電力会社Corio Generation(国際投資銀行マッコリー社子会社)が会談し、Corio Generationよりベトナムでの洋上風力プロジェクトの試験導入が提案された。

マッコリー社(1969年設立)は、多岐にわたる国際的な金融グループであり、オーストラリアに本社を置く。主に金融投資とインフラ開発の分野において、34か国で事業を展開しており、総資産管理額は5735億ドルを超えている。2023年には、グループの純利益が34億ドルに達している。

Corio Generationは、マッコリー社の子会社で、主に洋上風力発電の分野で活動している。30GW以上の世界最大の洋上風力発電プロジェクトを運用しており、英国、ノルウェー、スウェーデンなどで稼働している。

Corioは、2019年より、ベトナムでの再生可能エネルギープロジェクトの開発を研究しており、ベトナムのエネルギー転換プロジェクトでの資金調達を進めている。

今後の展望

キャンベラでの会談に先立ち、3月5日、チン首相はメルボルンにてCorioとベトナム電力グループEVN子会社との洋上風力プロジェクト開発に関する覚書の署名式に出席している。

チン首相は、ベトナム政府がベトナムでの投資家の活動や効果的で持続可能なビジネスを保護し、促進するための全ての条件を整えることを約束した。今後、再生可能エネルギー分野において、外国からの投資が加速することが見込まれる。

洋上風力発電開発において、ベトナム・チン首相がCorio社幹部と会談
出所:現地メディア Dân trí

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