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ベトナムの繊維・アパレル業界は受注増により好況を示している

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ベトナムの繊維・アパレル業界の近況

ベトナムの繊維・アパレル業界は、豊富な労働力と積極的な輸出振興策を背景に、1990年代からの発展を経て、近年特に顕著な成長を遂げている。特に、米中貿易摩擦の影響で、多くの企業が生産拠点を中国からベトナムへとシフトしており、アパレル業界においても、主要なブランドがベトナムを新たな製造拠点として選択している。

ベトナムに製造拠点を設置することには多くの利点がある。人件費は中国の2分の1程度であり、これは最も大きな利点である。2021年時点で、JETROの調査によると、中国の人件費の中央値は441米ドルである一方で、ベトナムの人件費の中央値は216米ドルである。また、ベトナムは中国と4,550キロメートルの陸路で国境を接しており、多くの貿易協定が締結されている。

また、ベトナムは製造拠点のみならず、近年は消費市場としての注目度も高まっている。ベトナムは人口が安定的に増加しており、2040年には日本を追い抜くと言われている。平均所得も増加し、スマートフォンの普及率も高く、スーパーマーケットやショッピングモールだけでなくコンビニも順調に増加しており、ベトナム人の生活は非常に現代的になっている。ベトナムのアパレル消費市場は、アジアでもトップの成長率とされており、既にZARA、ユニクロ、H&Mなど、世界有数のアパレルブランドがベトナムに続々と参入している。市場調査企業であるAsia Plusの調査によると、ベトナムの若者は衣料品への支出を大幅に増やしており、調査対象者の52%は月に1回購入しており、26%は月に2〜3回服を購入しているとの回答であった。

このように、ベトナムの繊維・アパレル業界は製造拠点・消費市場の両面でポテンシャルが高く、世界各国からの注目を集めている。

ベトナムの繊維・アパレル業界は受注増により好況を示している

ベトナム繊維協会(VITAS)によると、世界的な繊維・アパレル業界のサプライチェーンが、生産および発注拠点としてベトナムを選択し続けており、ベトナムの繊維・アパレル業界に明るい兆しが数多くみられる。

ベトナムは現在、繊維製品の輸出で世界第3位となっている。輸出市場における世界各国の需要と各企業の生産状況は、実際にはまだ完全には明確ではないものの、前年同期より良好な状況であり、2024年におけるベトナム繊維・アパレル業界は、良好な見通しを続けている。繊維・アパレル業界の企業への調査によると、多くの企業で6月末までの生産に十分な受注があり、中には年末まで十分な受注がある企業もあった。また、今後数か月の取引のために、多くの顧客との交渉が行われている。

ベトナム縫製大手の国営第10縫製総公社(GARMENT 10 CORPORATION:May 10 JSC)は、テト明け以来から現在に至るまで、既に第1四半期には十分な注文があり、8月までの主要シーズンへの受注もある。労働者の雇用状況も安定しており、2024年の売上目標を前年比6.6%増(4.5兆ドン)を目指している。ベトナム繊維大手TNG貿易投資(TNG INVESTMENT AND TRADING JSC)では、既に6月末までの全ての生産能力の注文を受けている。これほどの注文を受け、TNG社は45台の生産ラインを追加導入し、3,000人の労働者の雇用することで、総生産能力を15%増加させる予定である。

今後の展望

ベトナムは急速な経済成長を続けている。2024年のGDP成長率は2023年より高くなると考えられおり、国内マクロ経済は引き続き安定している。ベトナムの繊維・アパレル業界は、世界各国からの注目を集めており、さらなる成長の兆しを見せている。

ベトナムは繊維製品輸出で世界第3位となっている
出所:現地メディア CafeF

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