ベトナム経済・ビジネス情報サイト
× 閉じる
環境・再生可能エネルギー

バイオマス燃料の原料としてベトナム農業の高付加価値化が進む

運営会社について
このメディアは、ベトナムビジネスの経営課題を解決する
ベトナム特化コンサルティング会社、ONE-VALUE株式会社によって運営されています。

ベトナム農業の課題~加工業が未発達~

ベトナムは有数の農業国であり、豊富な農産品を有しているが、加工技術や設備投資などが十分ではなく、付加価値の高い加工品の製造及び輸出があまり多くない。ベトナムの農産品の輸出は主に未加工であり、その割合は70-85%を占める。付加価値の高い加工品の比率は、15-30%に留まっており、コーヒーは約15%、野菜や果物は10%、カシューナッツやアーモンドは10-15%である。ベトナムの農業の競争力を向上させるためには、付加価値の高い加工が欠かせない。

一方で、ベトナム政府は2050年までのカーボンニュートラル達成目標を掲げている。現在、その実現に向けた様々な施策が実施されている中で、再生可能エネルギー分野においても、急速な技術開発や法整備が進められている。ベトナムは、籾殻やコーヒー・カシューナッツの残渣等、農業系バイオマス燃料が豊富な国である。

バイオマス燃料の原材源としてのポテンシャルは世界から大きく注目されており、資源発生量の多い発生地を特定し、流通構造や主要な燃料サプライヤーの調査等を十分に実施することで、外国企業も参入の機会を得ることができる。

【関連記事】本レポートの関連記事はこちらからご覧ください

ベトナムにおける農業副産物の活用が進む

ベトナムの農業は、従来的な手法のみならず、様々な方向に発展を続けている。例えば、バイオマス発電における燃料源として、籾殻ペレットを熱発生や発電用に商業利用している事例がある。その他にも、農業副産物を活用し、付加価値の高い製品を生産する動きがみられる。

ベトナムの大手農業企業Loc Troi Groupのフイン・バン・トン会長は、新製品「ラバーバッグ」を紹介する中で、「この製品は籾殻由来の原材料を使用しているが、従来のポリマー素材と同等の耐久性をもつ」と説明した。

トン会長はさらに、「4300万トンの米から500万トンの籾殻を回収できる。これにより数百万トンの生分解性ポリマーを生成し、30〜35億ドルの利益をもたらすことが可能である」として、ベトナムにおける農家の収入向上に貢献できると強調した。

また、メコンデルタにおける100万ha規模の高品質な稲作プロジェクトにより、現在の稲作産業における多くの課題を解決できるとしている。このプロジェクトは、統一的な計画を策定した上で、土壌、気候、天候に合わせて、また市場に適合する形で、地域ごとに適切な品種を栽培する。さらに、灌漑などの農業インフラや製造工場への投資も進める。大規模な生産再編、機械化を通じて、農家を生産組織に集約することで、各農家が稲作産業全体の動きと連動した形で農業生産を進めていく。その上で、Loc Troi Groupはホーチミン市に十分な米を供給できるとしたうえで、防腐剤を使用しない低価格な新米の供給を目指しているとした。

ベトナム農業は持続的な発展を続けていく

ベトナムの農業産業は、Loc Troi Groupなどの先進的な農業企業によって、持続可能な発展を遂げている。特に、農業副産物の有効活用に焦点を当てた新しい取り組みが進められている。

農業副産物としての籾殻を活用したバッグを製造
出所:現地メディア CafeF

NEW無料メルマガ配信中

Vietbizでは、新着レポートやセミナーの開催情報などのお役立ち情報をお伝えするメールマガジンを無料で配信しています。是非ご登録ください。

登録はこちら申込み
タイトルとURLをコピーしました