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ベトナムにおけるエネルギー転換の新たな展開:第8次国家電力計画の策定

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初めに

10月31日に、ベトナムの副首相チャン・ホン・ハー氏は、オンラインで第8次国家電力基本計画(PDP8)の実施計画に関する議論を開催した。商工省をはじめとした各関連機関、地方自治体が参加した。

PDP8の現状と課題

商工省によって提出されたPDP8実施計画は、これまで2度にわたり、精査と再検討が行われている。副首相は、「PDP8実施計画は実現可能であり、かつ明確な責任を伴うものでなければならない、エネルギーの安全を確保し、経済と社会の発展ニーズに応えなければならない。また、発電容量、負荷需要、年間実施計画を慎重に算出し、各地域の需要を満たす供給を確保する必要がある。」と述べた。

焦点を当てるべき二つの課題

副首相は、電力システムのアンバランスの解消とエネルギー転換の促進という二つの重要な課題に焦点を当てるべきであると述べた。

電力システムの課題解決

ベトナムの電力システムにおける主な課題は、電源容量と送配電網の不釣り合いにある。PDP8では、2030年までのLNG火力発電、石炭火力発電、水力発電、陸上および洋上風力発電の各計画が策定されている。しかし、送配電網の拡張・再生可能エネルギーの出力変動への対応が新たな課題となっている。これを改善するためには、計画的な送配電網への投資が急務である。

土地や海域の利用については、2030年までに90,300haと111,600haが電力プロジェクトのために使用される予定である。また、ラオスからの電力輸入は約5,000MWが予定されており、条件が整えば最大8,000MWまで増加する可能性がある。ベトナムの中部および南部地域からの電力輸出も2030年までに5,000MWから10,000MWに拡大する見込みである。

商工省のグエン・ホン・ディエン大臣は、計画策定が5月中旬から開始され、地方自治体からの意見やデータを取り入れつつ、関連機関と協力して進められていることを明らかにした。これまでに52の省と市が計画案に対して意見を提出しており、特に再生可能エネルギーと送電システム間の効率化が焦点となっている。

地方自治体は、工業団地や投資プロジェクトへの再生可能エネルギー供給のため、規制の緩和を求めており、ダナン市やクアンナム、ゲアン、ハティン省では、太陽光発電、バイオマス、廃棄物発電への柔軟な対応を求めている。

エネルギー転換の促進

副首相は商工省に対して、PDP8の「エネルギー転換」に重点を置くよう指示した。具体的には、PDP8に関連する電力プロジェクトのリストを公開し、安全性、技術水準、インフラ、経済効果を確保するための基盤を整備すること、そして持続可能な水力発電プロジェクトに有益な条件を提供することが求められた。さらに、副首相は環境に配慮したエネルギー源として、グリーン水素やグリーンアンモニアの生産および輸出に向けた技術研究と展開の推進も指示している。

副首相は、PDP8の実施において「オープンな思考」の重要性を強調し、電力計画が具体的かつ詳細であり、設定された各目標と基準に忠実であるべきであると指摘した。また、2025年までに電力不足を避けることが急務であるとも述べた。

さらに、第7次電力計画(PDP7)の基準を満たす再生可能エネルギー案件をPDP8の一部として取り込むことを提案し、不正な案件の追加を排除しつつ、正当なプロジェクトへの支持を表明した。

ベトナムのエネルギー政策は経済的発展と環境保全の両立を目指しており、PDP8の効果的な実施がその鍵を握っていることが強調されている。

PDP8実施計画関するオンライン会議 出所:nangluongvietnam.vn

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