2025年7月時点、米国がベトナムの農林水産物に対して最大46%の関税を課す可能性が浮上し、ベトナム政府は3つのシナリオをもとに輸出への影響を分析している。10%課税であれば影響は軽微だが、20%で6.2〜6.5億USDの損失、最悪の46%課税では年後半だけで約123億USDの減収が予測される。
特に、エビ・ナマズ・マグロなどの主力水産品が大きな影響を受けるとされる一方、具体的な税率が未定のため、対応策は柔軟性が求められている。
2025年上半期の農林水産物輸出は前年比15%超の成長を見せ、総額338億4,000万USD、うち農産品が184億6,000万USD、水産物が51億6,000万USD、林産物が88億2,000万USDを占めた。米国は依然として最大輸出先で、シェアは21.1%。中国(17.6%)や日本(7.2%)も重要市場である。
商品別では、コーヒー輸出が大幅に伸び、6カ月で5.45億USD(+67.5%)を記録、2024年年間の実績に匹敵する。通年で75億USDの収益が見込まれる一方、果物・野菜は中国市場の需要減により8.4%減。コメ輸出も7.6%の数量増にもかかわらず、価格下落(–18%)により12.2%の減収となった。
農業環境省は、通年の輸出目標650億USD、目標超過で700億USDを目指す計画を発表。従来市場への再集中に加え、新たな製品群の提案や、日中韓・ASEAN市場への戦略的輸出拡大も推進している。特に、鮮魚・香草・果物・コーヒーの付加価値化が重点であり、地域別に異なる輸出拡大策が実施される予定である。
米国の関税方針次第では、貿易収支・農家収入・輸出企業の経営に直接的影響を及ぼすため、ベトナム政府の迅速かつ柔軟な対応と、企業の戦略的分散・高付加価値化の努力が不可欠となる。
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