2025年のベトナム経済展望と国際情勢の影響
2025年は世界経済の回復期と予測され、IMFはGDP成長率を3.1%と見込んでいる。ただし、地域ごとの回復速度には差があり、特に中国経済の減速、米国の貿易政策、EUの不安定な経済状況が影響を及ぼしている。
米国は高関税政策を継続し、中国製品に25~60%の関税を課しており、これによりベトナム製品が競争優位性を得ている。2024年の対米輸出は14.3%増の4055億ドルに達し、2025年も電子部品や木材加工品を中心に高成長が見込まれる。しかし、原産地規則の厳格化により、中国製品の迂回輸出とみなされるリスクもある。
中国は1.4兆ドル規模の景気刺激策を実施し、消費促進と企業支援を進めている。これにより、ベトナムの農産品や加工食品の輸出が拡大し、特に米、海産物、果物の需要が増加している。加えて、米中貿易摩擦の影響で中国企業のベトナム投資が増加し、2023年の対越FDIは45億ドルに達した。2025年も電子部品や再生可能エネルギー分野を中心に投資が拡大すると予測されている。
EUは低成長が続き、2024年のGDP成長率は0.8%にとどまった。ただし、ECBの利下げにより消費が回復する見込みで、ベトナムの繊維・木材加工品の輸出が恩恵を受けるとみられる。一方で、EUの環境基準の厳格化が新たな課題となり、ベトナム企業は品質や生産技術の向上が求められている。
また、日本や韓国、ASEANもベトナム経済に大きな影響を与えており、日本は経済刺激策を通じて輸入需要を高め、韓国やシンガポールは引き続き重要な投資国となっている。
2025年はベトナムにとって重要な年となり、グローバル経済の変化を活かしつつ、柔軟な政策運営により持続的な発展を目指すことが求められる。
