ベトナムは世界の電子商取引市場において成長が最も速い10か国の一つに入っており、2024年には16%を超える成長を遂げ、2025年には20%の成長が予測されている。注目すべきは、ベトナム第2位のECプラットフォームであるティックトックショップ(TikTok Shop) が売上を69%伸ばし、市場シェアを29%から39%に拡大した一方、最大手のショッピー(Shopee) は63%から58%へと低下した点である。これは、消費者の傾向が多数の割引コードを活用した「節約型消費」から、エンターテインメントを組み込んだ購買体験へと移行していることを示している。
ソーシャルコマースは販売者―インフルエンサー―消費者の間に新たなつながりを生み出している。ユーザーは商品を購入するだけでなく、コンテンツ制作者や販売者になることもでき、信頼性の向上につながる。ライブ配信が頭打ちになる中、ショート動画は保存や検証が容易で持続性が高く、長期的な競争チャネルとして期待されている。
さらに、SNS・購買・決済・AIを統合する「オールインワン」型スーパーアプリの台頭が予測されており、ECエコシステム全体を変革すると見られている。企業は単なる販売にとどまらず、包括的な購買体験への投資が求められる。
一方で、市場は規制強化や越境競争の激化という課題にも直面している。ベトナム企業と外資系企業の双方が拡大を急ぐ中、ベトナムのEC市場は再編段階に入り、迅速に対応できる企業のみが生き残ることになる。
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