ベトナム小売業の成長とDXの加速
ベトナムの小売業界は2024年に多くの成長を遂げ、特にオンライン販売やキャッシュレス決済の普及が進んでいる。Sapo社が実施した全国1万5000の販売事業者を対象とした調査によると、売上が前年より増加した事業者の割合は33%に達し、2023年の25%を上回った。成長が顕著だったのは、ハノイやホーチミン市の事業者であり、売上は月2億〜100億VND(約120万円〜6億円)に達しており、事業規模によって大きな幅があるが、全体としては堅調に推移している。
成長企業の多くは、複数の販売チャネルを活用する「オムニチャネル戦略」を採用し、オンライン広告やプロモーション施策を積極的に展開している。特に、ファッション、家庭用品、食品業界では、安定した需要と柔軟なマーケティング戦略が成長を後押ししている。約80%の事業者が2025年の市場拡大を楽観視し、ライブコマース(ライブ配信を利用した販売)やSNSを活用した販売の強化を計画している。
現在、55.7%の売上成長企業がオムニチャネル販売を導入しており、その売上は月200万〜10億VND(約12万円〜6000万円)の範囲に及ぶ。多くの事業者は、TikTok Shop、Shopee、Facebookなどのオンラインプラットフォームを中心に販売戦略を拡大し、より多くの消費者を獲得しようとしている。また、2024年にはFacebook LiveShoppingが正式に導入され、ライブ配信中に商品の購入が可能になったことで、リアルタイムでの販売促進がさらに強化された。
キャッシュレス決済も急速に普及しており、94.4%の事業者が何らかのキャッシュレス決済手段を導入している。特に、QRコード決済や銀行口座振込が91%の支持を得ており、その利便性が評価されている。さらに、多くの事業者は販売管理システムやAI技術を導入し、業務効率の向上や売上分析の最適化を図っている。
今後の小売業界の成長には、デジタル化とカスタマーエクスペリエンスの向上が鍵となる。事業者は、オンライン販売の拡充やマーケティングの最適化、効果的な顧客管理を通じて、競争力を高めることが求められる。
