ベトナムではQRコードが非現金決済の主役として急成長している。調査会社フィングループの「Vietnam Credit Card Market 2025」報告によると、2024年のQRコード取引は前年比115%増と急拡大し、POS端末(+11%)や電子商取引(+14%)を大きく上回った。
従来、MoMoやZaloPayなど人気な電子ウォレット各社が独自のシステムを展開していたため標準化が進まず、利用者に不便が生じていた。転機となったのは2017年、ベトナム国家銀行とナパス(NAPAS)が国際規格に対応した統一QRコードを導入し、さらに「VietQR」が誕生したことだ。これにより銀行と決済事業者の連携が進み、全国でQRコード決済の受け入れが急速に拡大した。2024年時点でQR決済拠点は年平均成長率40%近くを維持し、国内のデジタル決済拠点数は約150万に達した。
POS端末と異なり、QRコードは導入コストがほぼ不要なため、中小事業者や伝統市場でも普及が進む。銀行やフィンテック各社は還元やキャンペーンを競い合い、QRコードの利用を後押ししている。調査ではモバイル決済利用者の98%がQRを使用した経験を持ち、そのうち39%は高額取引でもQR決済を選ぶと回答した。
QRコードは消費習慣を変えるだけでなく、資金フローの透明化や税務管理を支援し、農村部での金融包摂にも寄与する。また、VietQRのASEANや中国との接続により、越境貿易や観光分野での利用拡大も期待される。
フィングループは、QRコードが2025年に現金比率を総決済手段の8%へと引き下げる主な原動力になると指摘している。

出所:Vneconomy新聞
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