オリオン・ビナ食品有限会社は、ベトナムをグループにとっての最重要戦略市場の一つと位置付け、巨大な消費市場であると同時に地域の中核生産拠点としている。2023年のベトナム事業の売上高は、4755億ウォンであるが、これは9兆ドン(約529億円)に相当するもので、同社は複数年にわたり安定成長を維持しつつ、オリオングループ全体の業績に大きく貢献している。

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同社はベトナム国内にR&Dチームを置き、味付け、パッケージ、ブランドストーリーまで徹底的にローカライズしている。「O’star」や「Swing」のほか、米菓「An」や朝食用菓子 「C’est Bon」など、若年層向けスナックから伝統食文化に着想を得た製品に至るまで、ベトナム向け専用の商品を多数展開している。原材料についても「故郷のじゃかいも(Khoai tây quê hương)」プログラムを通じ、クアンニン、バクニン、ラムドンなどの産地農家と直接連携し、スナック向けじゃがいもを安定調達しつつ農家収入の安定化を図っている。
同社はベトナム菓子市場で、①体験・感情・家族や友人との共有を重視する消費、②砂糖・脂肪・栄養価を意識した「よりヘルシーな食」、③近代小売やEC、ソーシャルコマースへの急速なシフトという三つの大きな変化を指摘する。対応策として、砂糖50%オフの「ChocoPie Less Sugar」、「Custas Less Sugar」や若年層向け新製品を投入し、「優しいパッケージ」(インク・プラスチック削減とリサイクル性向上)を推進するとともに、マルチチャネル体制を強化している。北部のイエンフォン2C工場(Yen Phong 2C)は包装・物流拠点としてベトナム市場向け供給を優先し、サプライチェーンの自律性向上と将来の輸出拡大に備える役割を担う。
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