2025年8月、ベトナム・フート省で、製薬会社「Santex」とハーブ製品会社「RQPHAR」の両社社長を含む6名が、偽造薬の製造・販売や文書偽造の罪で公安当局により起訴された。本件は2018年から継続して行われていた大規模な偽造事件であり、対象はサプリメントや健康補助食品などの機能性食品であった。
フート省公安の経済警察部門と調査機関は違法生産の実態を突き止め、緊急捜査を実施。結果として、押収された偽造品は約1,200万錠の錠剤に加え、76,937.8リットルの液体製品に及んだ。調べによれば、2018年から逮捕時までに数千万単位の商品が市場に流通し、違法利益は数千億VND(数百億円規模)に達したとされる。当局は、偽造薬や偽造サプリの流通がベトナム国民の健康や生命に直接的な危険を及ぼすことを重視し、迅速に刑事手続きを進めた。背景には、ベトナム国内で健康食品市場が急速に拡大する一方で、規制や監視体制の不備を突いた違法事業者が暗躍していたことがある。この事件は、医薬品・健康食品分野における消費者信頼を揺るがす深刻な事案であり、食品安全やサプライチェーン健全化の課題を浮き彫りにした。
今後の課題としては、第一に偽造品流通の早期検知体制の強化、第二に認可手続きや監視制度の透明性向上、第三に消費者教育の推進が必要である。また、関係機関が連携し、法規制を強化するとともに、違法行為への厳格な刑事処分を行うことが不可欠だ。今回の摘発は、ベトナム政府にとって医薬品・食品安全の信頼性確立に向けた試金石となり、持続的な市場発展のための規制強化を促すだろう。
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