新緊急事態法制定へ、ベトナム政府の対応強化
ベトナム国防省は、新たな緊急事態法の制定を提案し、司法省に審査を依頼した。この法律は、国民の生命や国家の安全が深刻な脅威にさらされた場合に、特別な措置を迅速に講じることを目的としている。政府の提案に基づき、国会常務委員会が特定地域または全国に緊急事態を宣言し、その後、大統領が正式に公布する仕組みが提案されている。緊急事態の発表が迅速に行えない場合、大統領は首相の提案を受け、直接発表することができる。
緊急事態の宣言は、メディアを通じて直ちに公表され、地方自治体にも掲示される。宣言の内容には、緊急事態の理由、対象地域、施行開始時期、適用期間、対策の実施権限などが含まれる。また、状況が改善され次第、首相の提案に基づき、国会常務委員会が解除を決定し、大統領が公式に発表する。この解除も即座に公表され、国民に周知される。
この法律は、2000年に制定された「緊急事態に関する法令」を置き換えるものであり、2026年12月に施行される予定である。これまでベトナムは、一度も緊急事態を宣言したことがなく、新型コロナウイルス感染症の拡大時にも、既存の感染症対策法に基づく対応が行われた。しかし、国防省は、実際には緊急事態に近い措置が取られたことを指摘し、現在の法律では十分な柔軟性がないと評価している。
そのため、政府と首相により大きな裁量権を与え、迅速に必要な対策を講じられるようにすることが求められている。特に、緊急事態を正式に宣言しなくても、国会の権限に関わる措置や、現行法にない特別な対策を導入できるようにすることで、感染症や災害への対応を強化する方針が示されている。
