複数の国際機関が2025年以降のベトナム経済成長について相次いで楽観的な予測を示している。ASEAN+3マクロ経済調査事務局(AMRO)は2025年のGDP成長率を7.0%、2026年を6.5%と見込み、ASEAN主要10カ国の中で最も高い水準になると評価した。シンガポールのUOB銀行も2025年6.9%、2026年7.0%と予測し、さらに2026~2045年の平均成長率7%は十分達成可能と強調した。背景には教育普及、研究開発拡充、労働生産性の改善、イノベーション推進といった要素がある。
スタンダードチャータード銀行は2025年の成長率を6.1%と見込み、輸出回復と観光業の拡大を成長ドライバーと指摘した。短期的に国際貿易の不透明感は残るが、ベトナムのマクロ経済基盤は安定しており、輸出の黒字基調や製造業の堅調な設備投資が下支えになるとした。
一方、世界銀行(WB)は2025年の成長率を5.8%とやや慎重に見積もり、2026年に6.1%、2027年に6.4%と漸増するとした。WBは持続的な高成長を維持するためには、国際環境の安定化と国内改革の深化が不可欠と強調。人的資本への投資、インフラ整備、グリーン経済の推進、制度改革による生産性向上を優先課題として挙げた。
また、ベトナム投資資本開発協会(VPCA)、国家イノベーションセンター(NIC)、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が共同で発表した報告書も、2024年の実質GDP成長率7.1%、FDI流入額250億USD(前年比9%増)、経済規模2035年に1.1兆USDへ拡大といったポジティブな見通しを示した。さらに、中間層比率が2030年に人口の46%へ拡大し、デジタル経済のGDP比率も現行18.3%から2030年に35%へ上昇すると予測している。
これらの予測は数値に差異があるものの、共通して「高い潜在成長力」と「改革・投資次第でさらに拡大可能」という点を指摘しており、ベトナムが今後もASEAN経済の牽引役となる展望を示している。
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。
