ベトナム経済・ビジネス情報サイト
× 閉じる
ベトナム経済

ベトナム政府は国内航空機不足への対応を進めている

運営会社について
このメディアは、ベトナムビジネスの経営課題を解決する
ベトナム特化コンサルティング会社、ONE-VALUE株式会社によって運営されています。

ベトナムにおける航空機不足の現状

ベトナムでは、国内航空機数の不足等による航空券価格の高騰が進んでいる。

現在、ベトナムには国内線を運航する大手航空会社が6社あり、中でも「ベトナム航空」と「ベトジェット」は、特に広く知られている航空会社である。

ベトナム航空の歴史はベトナム戦争前の1956年にまで遡る。1956年1月にベトナム政府によってベトナム航空局が設立された。当時所有していた機体は5機のみで、同年9月に国内線の運航が開始された。その後1993年にはベトナム航空局を母体として、国営企業としてベトナム航空が設立された。それ以降、現在に至るまでベトナムを代表するナショナル・フラッグ・キャリアとして国内外で知られてきた。2010年にはアメリカのデルタ航空等も加盟している航空連合である「スカイチーム」にも加盟し、国際的にもベトナム代表という立場を固めてきた。

ベトジェットの設立は2007年。当時は国営企業であるベトナム航空が業界を独占しており、業界内での競争がない状態であった。もともと輸出入ビジネスや企業投資を行っていた創業者のグエン・ティ・フオン・タオ(Nguyen Thi Phuong Thao)氏は、民間航空会社の設立のための規制緩和に向けて政府と交渉を続けてきた。2007年に会社設立が承認され、2011年に初めての航空便が就航した。

2019年1月には、バンブー航空という新星も航空事業に参入した。バンブー航空は2019年の12ヵ月で市場シェアを2.2%から12.3%にまで急成長させ、業界3位の位置に付けている。

一方で、近年のベトナム国内線は、航空機の不足が懸念されている。ベトナム航空とベトジェットは、プラット・アンド・ホイットニー社製エンジンに不具合が発見されたことで、同エンジンを搭載する「A321neo」が、点検のため運航停止となることが見込まれる。バンブー航空は、経営上の課題から「E190」3機を使用する各航路を運航停止とする。

ベトナム政府は航空機不足への対応を進めている

2024年4月3日の政府定例会議において、グエン・チ・ズン計画投資大臣は、ベトナム国内の民間航空機数の大幅な減少に言及した。さらに、航空機数減少によって、多くの国内線が欠航または減便を余儀なくされ、航空券価格が高騰しているとの認識を示している。そのため、観光業の発展や国民の移動需要に影響を与えている。

2024年3月末までに、ベトナム大手航空会社6社の民間航空機の運航機数は約170機で、前年同時期と比較して40機の減少となった。この状況に対して、計画投資省は、航路数および民間航空機数を維持し、航空券価格と国民の移動、観光業への影響を最小限に抑えるため、解決策および支援政策を早急に検討するとしている。

今後の展望

航空業界の変化は、ベトナムでさまざまなビジネス機会を創出している。外国投資家はこれらの機会を活用して、成長市場でのプレゼンスを強化し、新たな成長領域に参入することができる。

航空機数の減少により、需要と供給のバランスが崩れ、航空サービスの品質や範囲に影響を与えている。外国投資家は、サービス改善や新たな航空ルートの開拓に投資することで、需要の増加に対応し、市場シェアを拡大する機会を見いだすことができる。

ベトナムでの航空機数が減少し航空券価格が高騰
出所:現地メディア CafeF
What’s VietBiz
ベトビズってなに?

ベトビズは、ベトナムで事業を行う、あるいはこれから行う
全てのビジネスパーソンを支援するWebメディアです。

NEW無料メルマガ配信中

Vietbizでは、新着レポートやセミナーの開催情報などのお役立ち情報をお伝えするメールマガジンを無料で配信しています。是非ご登録ください。

登録はこちら申込み
タイトルとURLをコピーしました