ベトナムのTập đoàn Công nghiệp Than – Khoáng sản Việt Nam(TKV)は、急速かつ持続可能な発展を目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)と科学技術の導入を戦略的な柱と位置づけている。これにより「スマート鉱山」の実現と環境配慮型の生産体制が進められている。
中でも、ハートゥー炭鉱の整備工場部門では、設備運転と保守管理をデジタル化。機器の稼働履歴を追跡し、定期メンテナンスを予測するソフトウェアを活用することで、稼働停止時間を短縮し、資源の最適化を実現している。さらに、360度カメラやGPS、故障予兆検知などの技術を導入し、安全性と生産性の向上を図っている。
また、大型機器や自動化設備の導入が進み、鉱山現場では生産手法が刷新されつつある。ERPやHRMなどの統合管理ソフトウェアによって業務プロセスの効率化が進み、一部の採掘現場では統合指令センターによる遠隔操作も実現。リアルタイム監視とデータ統合により、生産性向上とコスト削減が可能となっている。
さらに、AI研修などを通じて人材のデジタルスキル育成にも注力。環境分野では、排水処理や粉塵対策などにスマート技術を導入し、持続可能な産業構築を目指す。
一方で、技術レベルの不均衡や人材不足、変化への抵抗といった課題も存在する。TKVはこうした課題に対し、段階的なDX戦略とボトムアップの技術革新推進を通じ、全社的な変革を促している。ベトナム石炭産業は、国家の中核エネルギー産業としての役割を果たすべく、現代化と環境調和の両立を追求している。
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