ベトナムで進む廃棄物発電整備と制度課題
ベトナム政府は、廃棄物を燃焼させて発電に利用する技術を持続可能な廃棄物処理の重要な手段と位置づけているが、ベトナム国内では依然として廃棄物供給の不安定さや処理費用に関する正式な単価が定まっていないことが、発電所の建設や運営の遅れを引き起こしている。代表的な例として、フート省のチャムタン村で建設中の発電施設は、約3年半の工期を経て現在約90%の工事が完了しており、本来であれば2024年末の稼働が予定されていたが、現在も試運転前の段階である。ベトナム政府当局は、6月末の稼働に向けて工事の加速と監視体制の強化を指示している。
また、バクニン省では4つの大規模な電力施設が進行中であり、電力系統への接続や廃棄物輸送体制の整備、廃棄物の安定供給の確保が重要課題となっている。さらに、環境天然資源省が2023年末に経済技術基準を示す指針を発表したことを受け、多くの地方自治体が処理費用の単価策定を進めているが、まだ対応が遅れている状況である。
ベトナム企業や外資系企業の間でも、廃棄物発電の環境負荷を最小限に抑える姿勢が共有されており、T&Jグリーンエナジー社などは、早急な費用単価の制定が投資促進につながると強調している。現在、ベトナム国内では1日あたり約6万7千トンの生活ゴミが発生しており、その約6割が未分別で埋立処理されているため、環境負荷と廃棄物処理の効率化の観点からも、発電技術を活用した処理システムの早期整備が急務となっている。
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