関税衝撃の中でも光るベトナムIT業界
2025年4月3日、米国のトランプ大統領が発表した報復関税により、ベトナムが46%という高水準の関税対象国とされたことを受けて、ベトナムの株式市場は大きく下落。VN-Indexは66ポイント以上の急落となり、100銘柄以上がストップ安、VN30銘柄でも4銘柄が下限まで下落した。
しかし、ITサービス業界への影響は限定的と見られている。米国の関税は主に製造業関連の輸入品に向けられており、サービス分野やIT関連には直接的な影響がない。また、米国企業はコスト削減のため、ベトナムを含む海外のITアウトソーシングを活用しており、ベトナム企業にとっては競争優位を保てる状況である。
SSIリサーチのチーフエコノミストであるファム・リュウ・フン氏は、米国の関税政策が長期化すれば米経済全体が低迷し、IT投資が減速する可能性を指摘。一方で、ベトナム国内におけるデジタル転換の加速は、IT業界にとって追い風となると分析する。
Maybankインベストメントバンクは、関税措置がベトナム経済と株式市場にネガティブな影響を与えると予測するも、米国財務長官の発言を引用し「交渉によって税率は柔軟に調整される可能性がある」と期待を示した。
ベトナム政府は、米国側の懸念に応える形で、最近では自動車、木材、LNG、農産品などのMFN(最恵国待遇)関税を引き下げる措置を実施しており、これらの対応が関税見直しにつながる可能性がある。また、今後の交渉戦略として、米国産品の輸入拡大や市場開放の推進、米企業のベトナム進出の促進などが検討されている。
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