ディエンビエン省(Dien Bien)の基本情報│ベトナム63省を徹底解説

ディエンビエン省の特徴

本レポートでは、ベトナムのディエンビエン省の概要を網羅的に解説する。

ディエンビエン省は、ベトナム北西部の山岳地帯にある国境省である。ハノイの首都から504kmに位置する。北西部は雲南省（中国）、南西部はラオスと国境を接している。ベトナムで唯一ラオスと中国と国境を接している省で、ラオスとの国境は414.712km、中国との国境は40.86kmである。

2021年のディエンビエン省の人口は約625,100人で、そのうち都市部の人口は95,000人（15.2％）、農村部の人口は530,100人（84.8％）である。同省の人口密度は66人/km²である。ディエンビエン省は19の異なる民族から構成されている。

2021年の同省の15歳以上の労働力人口は5070万人である。2020年と比較すると労働力人口は農村部で急激に減少し、男性を中心に減少した。

2021年の労働力率は67.7％で、都市部の労働力率は65.3％、農村部の労働力率は69.3％である。農村部の労働力率が都市部より高いのは、労働力の大半が農業に従事しているためである。

地域の最低賃金：最も高いのはディエンビエン市（地域III）で364万VND/月、最も低いのは地域IVで325万VND/月である。

道路：ディエンビエン省には、ラオス北部の各省を結ぶベトナム・ラオス国境線と、雲南省（中国）を結ぶベトナム・中国国境線がある。

航空：ディエンビエン省は北部山岳地帯で唯一空港を持つ省であり、平均2便/日のフライトがある。

水路：ディエンビエン省は、ダー川、マー川、メコン川といったベトナムの三大河川の源流域に位置している。

水力発電：ディエンビエン省では現在12の水力発電所が稼動しており、総設備容量は181.3MWである。川の傾斜が大きく流れが強いため、水力発電開発の大きな可能性を秘めている。

林業：ディエンビエン省は山に囲まれているため、林業の大きな潜在的発展可能性を秘めている。同省には350,854.79haの森林がある（同省の農地面積の48.46％を占める）。同省の林業は、ゴムの木、松の木、木材原料、パルプの開発・生産に優位である。

観光：ディエンビエン省は観光、特に文化や歴史に関連した観光発展の可能性を秘めている。また、洞窟、鉱泉、湖など自然観光資源が豊富である。

工業団地の数：ディエンビエン省には現在、以下の2つの工業団地がある。

工業団地名	面積 (ha)	主な事業内容
Thanh An工業団地	142,9	クリーン産業、ハイテク産業、裾野産業
Tay long chao Dien Bien工業団地	55	飲料製造業(コーヒー)、食料品製造業(果物)、パルプ・手工芸品・ゴムの製造業