ベトナム保健省は、食品安全分野における行政手続きを効率化するため、4つの手続きを食品安全局(Cục An toàn thực phẩm)に分権化する方針を示した。現在、この内容を盛り込んだ通達草案が作成され、政府電子ポータルで国民からの意見募集が進められている。今回の提案は、行政改革を推進し、処理期間を短縮すること、さらに専門機関の裁量を高めることを目的としている。
分権化の対象となるのは、①健康補助食品に関する広告内容の登録、②輸入食品(健康補助食品、特殊機能を持つ食品添加物、規定外の添加物など)の製品登録、③国内製造食品の同様の製品登録、④健康補助食品製造施設に対するGMP(適正製造規範)認証の交付および再交付である。これらは従来、保健省の権限下にあったが、今後は食品安全局が一元的に対応することになる。
今回の改革は、食品偽装や品質不正が相次ぐ現状を踏まえた対応でもある。市場では偽造の味の素や食用油といった不正商品が摘発されており、消費者保護の観点からも食品安全行政の強化が求められている。食品安全局に権限を集中させることで、監督体制の一元化と透明性の向上を図り、違反事例への迅速な対応を可能にする狙いがある。
草案は、ベトナム国内外の企業・個人を対象に適用される予定であり、食品安全分野に関わる幅広い関係者に影響を及ぼす。特に外資系企業にとっては、輸入食品や新規添加物の登録プロセスが簡素化され、手続きが迅速になることが期待される。一方で、規制遵守を怠る事業者に対しては厳格な監視と処分が強化される可能性が高い。
本提案は、食品安全行政における分権化と効率化を同時に実現する重要な試みであり、今後の意見収集を経て正式に制度化される見通しである。
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