国連世界観光機関(UN Tourism)は2025年9月9日に発表した報告書において、ベトナムを「世界で最も成長が著しい観光市場の一つ」と位置づけた。2025年上半期におけるベトナムの外国人観光客数は約1,100万人に達し、前年同期比17%増を記録、さらに2019年の過去最高を1.3倍上回った。8月末時点では約1,400万人に達し、前年同期比22%の伸びを示すなど、急速な回復を遂げている。
UN Tourismのランキングでは、ベトナムと日本が「世界で最も急成長した観光市場」として並び、続いてモロッコ(19%増)、韓国(15%増)、マレーシア・インドネシア(ともに9%増)が続いた。世界全体の観光客数は6億9,000万人で、前年より5%増加、アジア太平洋地域の平均増加率は11%であった。これに対し、ベトナムの伸びは地域平均の約2倍に達しており、際立った存在感を示している。
この急成長の要因として、政府によるビザ政策の柔軟化が挙げられる。電子ビザの対象国拡大や滞在期間の延長により観光需要が喚起された。さらに国際航空ネットワークの拡充により、ダナン、カインホア、フーコックといった主要観光地への直行便が増加したことも寄与している。加えて、重点市場に向けたプロモーション活動が強化され、富裕層観光客の誘致に成功、平均滞在日数と観光消費額の拡大につながった。
ASEAN域内比較でもベトナムは突出している。2024年における訪問者数はタイの3,550万人、マレーシアの2,500万人には及ばないが、前年比39%増という高い伸び率を記録した。これは多くの国が9〜26%の伸びにとどまる中で群を抜く成果であり、ベトナム観光産業の成長余地と競争力を裏付けるものである。昨年、ベトナムは世界で4番目に高い観光成長率を示しており、2025年はさらにその評価を高めることになった。
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