ベトナム政府は2025年8月26日、政令232/2025/NĐ-CPを公布し、これまで国家が独占してきた金塊(ゴールドバー)生産体制を廃止すると発表した。政令は2012年4月3日施行の政令24/2012/NĐ-CPを改正するもので、2025年10月10日に発効する。改正により、国家独占の枠組みは撤廃され、商業銀行や企業に対して条件付きで金塊生産を認めるライセンス制度へ移行する。
具体的には、金塊生産は営業許可制とされ、商業銀行は資本金5兆VND(約50,000億VND)以上、企業は資本金1,000億VND以上を保有し、内部規程に基づく生産管理体制を整備していることが要件となる。さらに、過去の行政処分を適切に是正していることも条件とされる。加えて、金塊取引において1日2,000万VND以上の売買は銀行口座を通じて決済することが義務付けられ、透明性の確保とマネーロンダリング防止を目的としている。
政令はまた、金細工・装飾品生産企業が原料金を販売する際に電子インボイスの発行やデータ保存を義務付けるなど、情報管理の厳格化を進めている。さらに、金塊生産企業および商業銀行には、製品の品質保証や取引データの保存・国家銀行への接続提供といった新たな責任が課される。
今回の改正は、長年続いた国家独占から市場主導のライセンス制度への転換を意味し、ベトナムの金市場の効率性と透明性を高める狙いがある。ただし、依然として国家銀行が監督権限を保持し、市場秩序の安定と金融安全保障を確保する仕組みが残されている。今後、商業銀行や大手企業の参入によって市場の競争環境が変化し、投資家や消費者にとっても金取引の利便性と選択肢が広がることが期待される。
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