日本の住友商事は、ベトナム・カインホア省において新たにLNG火力発電所「Vân Phong 2」の建設を検討している。同社はすでに同地域でBOT方式による石炭火力発電所「Vân Phong 1」(総出力1,320MW)を運営しており、2024年1月から商業運転を開始。年間6.75百万MWhを供給し、地元財政にも多大な貢献を果たしている。2025年前半だけで9,240億ドンの売上を上げ、地方財政へ5,000億ドン超を納付した実績を持つ。
新たに構想されている「Vân Phong 2」は、石炭火力に依存する電力構成を多様化し、環境負荷を抑制するための戦略的な一歩と位置付けられる。ベトナム政府は電力需要の急増に対応しつつ、温室効果ガス削減を進めるため、LNG(液化天然ガス)を「移行期エネルギー」として導入する方針を掲げており、同計画はその流れに沿うものである。また、住友商事は同省沿岸部での洋上風力発電事業への参入意欲も示しており、再生可能エネルギーとLNGを組み合わせた持続可能な電源開発に取り組む姿勢を明確にしている。
カインホア省人民委員会のチャン・クオック・ナム主席は、日越関係の戦略的重要性を強調するとともに、同省がエネルギー開発を地域経済成長の柱に据えていることを説明。行政手続きや中央政府との協議を支援し、住友商事の新規投資を後押しする意向を示した。
同省はすでにLNG火力、洋上風力、太陽光など多様な電源の誘致を進めており、住友商事の新プロジェクトは投資環境の整備とグリーントランジション加速に寄与する見込みである。今後は政府承認を経て、ベトナムの電源開発計画「電力マスタープランVIII」に沿って具体的なスケジュールが策定されることになるだろう。
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