ベトナム政府は、2025年7月に施行された「政令163/2025/NĐ-CP」に基づき、ベトナム国内における医薬品のオンライン販売に関する新たな規制を導入した。これはベトナム薬事法を具体化するものであり、特に電子商取引を通じた医薬品の販売に焦点を当てている。
政令によれば、ベトナム企業がオンラインで医薬品を販売する場合、取引プラットフォームや自社サイト上に、以下の情報を明確に掲載しなければならない。まず、営業許可証の詳細(事業所名、住所、証明書番号、発行日、発行機関)および、薬剤師の職業証明書情報(氏名、証明書番号、発行日、発行機関)を提示する必要がある。
さらに、販売する医薬品の情報も詳細に記載しなければならず、具体的には商品名、登録番号、成分、用量、製造国、効能、副作用、使用上の注意点、実物の画像までを専用ページに明示しなければならない。また、これらの情報は他の製品情報と混在させることなく、独立したカテゴリで提示する義務がある。
加えて、ベトナム国内で薬局チェーンを展開する場合は、全体の運営企業および各薬局の情報を網羅的に記載する必要があり、掲載情報の正確性と合法性についてはベトナム企業自らが責任を負うとされている。
取引プラットフォーム側も薬事業者から情報を事前に受け取り、監視・審査する義務を負う。さらに、商品発送時のパッケージには顧客の名前、住所、電話番号、加えて販売担当者や相談者の連絡先を記載することが求められる。業務用として薬や原料を卸す場合には、販売元の営業許可証番号と発行日を明記しなければならない。
この新政令は、医薬品流通の透明性と消費者保護の強化を目的とし、急成長するベトナムの医薬品電子商取引市場に対する規律を整える重要な一歩である。
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