ハノイを中心とするベトナムの支援産業は、機械・電子・繊維・靴など多様な分野で900超の企業が存在し、そのうち320社以上が国際水準の能力を備え、グローバルな供給チェーンに参画しつつある。
一方で、多くの中小企業(SME)は資金調達や高度人材の不足、機械の老朽化、土地・インフラ環境の制約を抱えており、参入障壁が高い状態が続いている。
課題解決に向けて、ハノイ市や政府は2020〜25年の支援産業開発計画を実施。国際的企業との連携や産学官協働を強化し、各地に産業クラスターを形成。特に自動車・電子・縫製分野を中心とした集積と、バイオガスやITなどハイテクへの転換を促進している。
支援策の要は、FDI企業による受託発注とその先進技術の移転であり、これにより支援企業の技術力・品質基準の向上が期待される。例えば、中国・江蘇省蘇州市と提携した製造支援プログラムや、エンジニア育成支援などが進んでいる。
また、地理的にもハノイ、ビンフック、バクニンといった北部の工業地帯が連携し、東北部経済圏として成長している。これにより部品調達の効率化、物流整備、生産体制の強化が進む環境が整いつつある。
だが、依然としてSME側の資本不足や人材育成の遅れ、国内市場のスケールの小ささが課題であり、政府による制度・金融支援のさらなる拡充が不可欠である。
総じて、ハノイの支援産業は急成長の転換期にあり、グローバル供給チェーンへの統合と高付加価値化、制度整備を通じて、ベトナム経済の次の主軸産業となる可能性を秘めている。これを実現するためには民間主導と政府支援のバランスある推進が重要である。
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