行政再編で変わるベトナムの省構造と地域発展戦略
ベトナム政府は、行政効率の向上と地方分権の強化を目的に、全国63の省・市を再編し、行政単位を約50%削減する方針を示している。この動きにより、2~3省が統合されることとなり、新たな行政・政治の中心地(以下、中心地)の選定が大きな課題となっている。
ファム・ミン・チン首相は、中心地を選定する際には、歴史、地理的位置、インフラ、発展空間、国防、安全保障、国際統合といった多角的な要素を考慮する必要があると述べた。ベトナム商工省を含む関係機関も、住民へのサービス向上や行政の効率性向上を重視し、選定作業を進めている。
一方で、統合によって行政中心が移転する可能性があることから、多くのベトナム企業の職員や住民が生活環境の変化に不安を感じており、早期の情報公開と明確な方針の提示が求められている。
元建設省幹部や都市計画専門家の意見では、中心地の候補地は地理的中心性、交通利便性、既存インフラの有無、歴史的文化的背景などを重視すべきであり、既存の庁舎を活用することでコスト削減にもつながると指摘されている。一方で、新たな発展を見据えたまったく新しいエリアの選定も検討に値するとの意見もある。
さらに、国家全体および地域ごとの総合的な開発計画との整合性を保つことも重要であり、経済回廊や成長極の形成を視野に入れた中心地選びが、今後のベトナム国内経済の成長に大きく貢献するとされる。
この取り組みは、単なる行政再編にとどまらず、地域発展と都市経済の活性化を推進する重要な転機となる可能性があり、ベトナム政府の都市戦略全体の中核施策として注目されている。
