果物の輸出先の拡大を図るベトナム
ベトナム農業農村開発省は、これまで各国政府との話し合いや交渉を通じて、ベトナム産の果物や食品加工品の輸出市場への「通行許可証」の取得に成功した。過去1か月間、韓国市場はベトナム産のグレープフルーツの輸入を開始し、中国市場はベトナム産のココナッツと冷凍ドリアン製品を輸入することになった。
アメリカ市場では、ベトナム産のパッションフルーツの技術的な要件を交渉し終え、アメリカへの輸出が可能となった。これらの果物製品の市場開放と製品の多様化は、市場の多様化、輸出品目の拡大、ベトナム果物の付加価値向上に貢献する。米国農務省(USDA)の貿易・農業担当次官であるアレクシス・M・テイラー氏によると、ベトナム産の果物にはアメリカには見られない多くの種類があり、相互補完できるポイントが多く存在する。現在、ベトナム産の8種類の果物が正式にアメリカに輸出されており、これにはドラゴンフルーツ、マンゴー、グレープフルーツ、ランブータン、リュウガン、ライチ、スターアップル、ココナッツが含まれる。逆に、ベトナムもアメリカ産の果物市場を開放しており、オレンジ、ブドウ、チェリー、梨、桃、ネクタリン、ブルーベリー、リンゴなどが輸入されている。
特に中国では、ここ2年間でベトナム産ドリアンの需要が急速に拡大しており、中国の税関の審査基準を満たすための手続きも完了し、中国市場への参入が順調に進んでいる。ベトナム農業農村開発省の統計によると、現在ベトナム産の果物は世界60市場に輸出されている。農業農村開発省植物防疫局輸入検疫センターIIの所長であるファン・ティ・トゥ・ヒエン氏によると、各輸入市場は輸出果物に対して食品衛生から植物検疫まで独自の規定を設けている。
現在、輸入国の要求は2つのグループに分かれている。第1グループは基本的な要求だけであり、果物が植物検疫対象を含まず農薬残留物がないことを求める。第2グループはアメリカやオーストラリア、日本、韓国など品質基準が高い市場であり、これらの市場では植物検疫も要求される。多くの企業は、第2グループの市場に焦点を当てて輸出能力を高め、新たな市場を開拓している。