東南アジアでは、高い経済成長と人口6億8,000万人超を背景に電力需要が急増している。石炭や石油への過度な依存を避けるため、各国は再生可能エネルギーへの転換を加速させており、ベトナムとフィリピンがその中心的存在となっている。
ベトナムは太陽光発電と風力発電で急成長を遂げ、太陽光発電容量では短期間で世界上位10カ国に入った。政府による固定価格買取制度などの支援策が民間投資を呼び込み、成長を後押しした。また、全長3,200kmを超える海岸線と平均風速6.5~9.5m/sの海域を有し、アジア有数の洋上風力ポテンシャルを持つ。一方で、急速な開発は送電網への負荷を高めており、長期的かつ安定した電力政策の必要性が指摘されている。ワールドバンク(World Bank)によれば、同国の洋上風力の技術的潜在力は約600GWに達し、2050年までに60GW超が経済的に開発可能である。
一方、フィリピンは電源構成の多様化を重視する戦略を採用している。地熱発電で世界をリードする同国は、太陽光・風力にも注力し、グリーン電力入札制度や再生可能エネルギー事業への外資100%出資解禁により、数十億ドル規模の投資を呼び込んでいる。両国は2050年のカーボンニュートラル達成を掲げ、東南アジアのエネルギー転換を牽引している。
