ベトナム南中部のカインホア省は、ニントゥアン原子力発電所2号機プロジェクトに伴う再定住用地の再選定を進めている。これは、旧計画地が安全距離の観点から不適切と判断されたためであり、2025年7月30日、副省長のチン・ミン・ホアン氏が同省ヴィンハイ社を訪問し、新たな候補地の現地調査と関係機関との協議を実施した。
同プロジェクトの中心地は総面積404.5haであり、ヴィンハイ社ではこれまでに534世帯、1,894基の墓の存在を確認している。また、予定されていた再定住地(54.39ha)では、202世帯と2団体、85基の墓が確認された。これに加え、近隣のタイアン村では13.4haの土地を区画整理し、うち7.4haを収用予定としている。
しかし、住民の補償・移転事業は人手不足や行政再編による業務の遅れにより進捗が鈍化している。特に土地政策に関する専門人材の不足が深刻で、過去に用地整理を担当していた職員が他地域へ異動したことも、現地行政の作業停滞を招いている。
ヴィンハイ社のグエン・ヴァン・クエ主席は、調査・確認・補償案策定の各プロセスで専門知識の欠如が障害となっていることを報告。これを受け、ホアン副省長は、省レベルの専門人材を現地へ派遣する方針を示し、まずは発電所の中核区域における補償と用地解放を8月中に完了させるよう指示した。
同プロジェクトはすでに政府から初期資金が交付されており、カインホア省投資建設管理委員会との連携を強化しつつ、迅速な事業推進が求められている。原子力発電の国家戦略において、再定住地整備の遅延は全体進行に大きく影響を及ぼす可能性がある。
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