ベトナム不動産仲介協会(VARS)によると、2025年の新規供給戸数は約12万8,000戸に達し、2019~2025年で最高水準となった。一方で、供給構造は依然として偏っており、手頃な価格帯の住宅が深刻に不足する一方、新規物件の多くは高級・低層分野に集中し、約25%のマンションが1平方メートル当たり1億ドン(約59万円)超である。
供給が拡大しているにもかかわらず、住宅価格は、抑制されていた需要や経済・インフラへの前向きな期待、および低金利環境を背景に高水準を維持してきた。しかし、2025年末以降、広範囲で供給が増加し選択肢が多様化したことで、市場は実質的な競争局面に入りつつある。流動性は地域やセグメントごとに差が生じている。
VARSは、高速道路や環状線など交通インフラの整備と、約1,000件のプロジェクトで法的課題が解消されたことが供給拡大の重要な要因であると分析する。大都市では住宅価格が平均所得を大きく上回り、市場参加者は徐々に絞り込まれている。実需層には強固な財務基盤が求められ、投資家も従来のような短期利益を得にくくなっている。
高いレバレッジや短期的期待に基づく投資戦略はリスクが増大しており、投資家とデベロッパーの双方に、実需価値、法的透明性、財務力を重視する選別的な姿勢が求められている。VARSは、法制度、地価、用地取得、金利運営における国家管理機関の役割が、市場回復の持続性を左右する鍵であると指摘している。
