2025年9月、フィリピンの食品大手Jollibee Foods Corporation(JFC)は、ベトナム市場におけるハイランズコーヒーおよびJollibee事業の上半期業績を発表した。JFC全体の売上高は1479億ペソ(約26億USD)で前年同期比15%増、純利益は56億ペソ(約1億USD)であった。EBITDAは209億ペソ(約3.7億USD)に達し、前年同期比11.5%増と堅調である。
ベトナム市場においては、ハイランズコーヒーが896店舗(直営716店、フランチャイズ134店)を展開し、上半期でEBITDA124億ペソ(約2200万USD)を計上、前年同期比5.8%増を記録した。Jollibeeベトナムも218店舗に拡大し、第1四半期にEBITDA9.04億ペソ(約1630万USD)、第2四半期に3.54億ペソ(約630万USD)を計上し、前年比42~50%の高成長を示した。両ブランド合計で、上半期に1100億VND超のEBITDAを本社にもたらし、ベトナムはJFCにとって最大の海外市場となっている。
注目すべきは、ハイランズコーヒーが**18~24か月以内の株式上場(新規株式公開)**を視野に入れている点である。CFOティム・セルツァー氏は、株式上場は単なる資金調達ではなく、長期的な企業価値向上を目指す戦略的選択であると強調した。上場先は成長戦略と親和性の高い市場を選定し、ベトナム発のブランドとしての誇りを維持しつつ、国際投資家の資金を呼び込む狙いである。
また創業者デイビッド・タイ氏も、UBSやJefferiesなどの投資銀行と協議を進めており、上場準備が本格化している。ベトナムでは中間層の拡大に伴いカフェ市場が成長を続けており、外資系ブランドとの競争が激化する中、ハイランズは価格戦略とブランド力を武器にシェアを拡大している。
今後の課題は、株式上場計画の実行可能性とともに、為替変動や金利上昇によるコスト増、さらに消費環境の変化にどう対応するかである。2025年から2027年にかけて、上場準備の進展と市場拡大の両立が求められる。
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。
