ベトナム教育訓練省はこのほど、教育訓練分野の抜本的改革を目的とする国会決議案を公表し、意見募集を開始した。草案では、教育の近代化と国際的整合性を図るための6つの重点政策を提示している。
同決議案は、2013年の党中央委員会決議第29号および2025年の政治局決議第71号に基づき、教育制度の抜本的改革を制度化するもの。教育訓練省によると、現行制度の課題を解消し、体系的で持続可能な教育発展を実現することを狙う。
第1に、人材・教育機関管理の分野では、公立校の再編と管理権限の明確化を進め、優秀な教育人材確保のための給与優遇や柔軟な採用制度を導入する。
第2に、教育内容とカリキュラム改革では、ベトナム政府が主要方針を決定し、教育訓練省がプログラム改訂や新教育モデルの試行を主導。労働市場と連携した大学教育や技能認定制度を整備し、学習の連続性と生涯教育を促進する。
第3に、デジタル化と科学技術の導入を強化。国家レベルのスマート教育基盤の構築、教育情報と労働市場データの統合を進め、AIやデータ分析を活用した教育管理を実現する。企業・大学・国家の三者連携で研究・人材育成・技術移転を推進する方針だ。
第4に、国際連携の分野では、外国人専門家・博士号取得者への5年間のビザ・労働許可免除制度を試行。大学は国際会議開催を許可不要で実施でき、トップ500大学との共同学部設立をPPP方式で推進する。外国人留学生には週20時間までのアルバイトを認める。
第5に、国家奨学金基金を新設し、優秀学生や教育者への支援、技能教育・国際競争力強化を目的とした人材育成を支援する。
第6に、教育財政・投資政策では、国家予算の最低20%を教育に充当し、うち5%を施設整備、3%を高等教育に配分。2030年までに教科書の無償化、2035年までに高校教育の普及を目指す。
教育訓練省は、「この6分野の制度改革は、教育の公平性と質を同時に高め、将来的な労働力競争力の基盤を築くもの」と説明。
教育分野の近代化は、人材開発・エドテック・職業訓練・国際教育連携など、日本企業にとっても参入・協力機会の拡大につながるとみられている。
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