BtoB越境ECで広がるベトナムの輸出戦略
世界のBtoB(企業間取引)型電子商取引市場が2兆ドル規模に成長する中、ベトナムがこの分野で存在感を増している。2023年にはベトナムのBtoB電子商取引による輸出額が約50億ドルに達し、前年比25%の成長を記録した。労働力の質やコスト競争力、政府のデジタル化推進策が、ベトナム企業の越境EC展開を後押ししている。特にAlibaba.com上でのベトナム企業数が前年比22%増と顕著な成長を見せている。
注目すべきは、手工芸品やファッション、食品、家具などが国際市場で人気を集めている点である。従来、地理的制約やプロモーションコストがネックとなっていた中小企業や地方の職人も、BtoB ECを通じて世界市場に直接アプローチできるようになった。とはいえ、企業の多くがデジタルスキル不足や言語の壁、物流・決済面の課題に直面しており、VECOMの調査によると中小企業のうち専門担当者を配置しているのは15%にとどまる。
これに対しAlibaba.comは、言語翻訳、スマート運営支援、決済・物流の一体化支援、1年間の教育プログラムといった機能で、ベトナム企業のBtoB展開を支援している。さらに米国以外に、フランス、ドイツ、スペイン、英国、南アフリカといった新興市場からの検索ニーズが前年比70%以上と急伸しており、輸出先の多角化も進む見通しである。政府もFTAの活用と多国間輸出の重要性を強調しており、今後、BtoB ECはベトナムの輸出戦略において不可欠な柱になると予測される。
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