拡大するベトナムEC市場|ベトナム政府が規制強化と監視体制を強化
ベトナムの電子商取引(EC)市場は急成長を続け、2024年には市場規模が250億ドルを超え、前年比20%増となった。これはベトナム国内の小売および消費サービス売上の約9%を占め、デジタル経済の推進力となっている。特に、越境ECが輸出の重要なチャネルとなり、Amazon Global Sellingの報告によれば、ベトナム企業の輸出品は1,700万点以上に達し、取引額は前年比50%増となった。
ECの拡大に伴い、ベトナム政府は法整備と監視体制の強化に取り組んでいる。2024年にはベトナム商工省が約9,200のECサイトを登録管理し、約12万件の申請をオンライン処理するなど、デジタル手続きを促進した。しかし、偽造品や知的財産権侵害商品、品質不良品の流通が依然として課題となっており、特に越境ECでは違法取引の監視が難しくなっている。
この問題に対応するため、ベトナム商工省と市場管理総局、税関当局は連携を強化し、未登録の越境ECプラットフォームや違法倉庫の摘発を進めている。政府はまた、消費者向けの啓発活動を推進し、未認可のECサイトでの取引を控えるよう呼びかけている。具体的には、TemuやSheinといった海外ECサイトの利用に対する注意喚起を強め、リスクへの理解を深めるための広報活動を展開している。
今後、ベトナムのECとデジタル経済はさらなる成長が見込まれるが、それに伴い規制の強化も求められる。2025年以降、ベトナム政府はECの法律整備を進め、専門法の制定を検討している。さらに、地方自治体への権限移譲を進め、取引監視体制を強化し、偽造品の販売や不適切なプロモーション活動の取り締まりを厳格化する方針である。これにより、消費者の信頼を高めるとともに、健全なEC市場の発展を目指している。
