欧州では炭素排出量が多い企業は資金調達コストも高まる傾向
欧州では炭素排出量の多い企業の資金調達コストが高まる
欧州連合(EU)では、環境基準の引き上げが推進されており、これにより炭素排出の多い企業の資金調達コストが高まっている。
社債市場での借入コストの差が拡大
オランダ中央銀行(DNB)の調査報告書によると、2020年にEUが循環型経済行動計画を始めて以来、炭素排出量が多い企業と少ない企業の社債市場における借入コストの差は0.4%以上に拡大している。排出量削減のための技術投資を行う企業は、そうでない企業に比べ、社債市場での借入金利が低くなる傾向がある。
グリーンディールによる影響
EUは2020年にネット・ゼロ排出を目指す包括的な戦略「グリーンディール」を採択した。この合意は、鉄鋼やセメントなどの炭素排出量の多い産業を含む全ての産業に再生可能エネルギーへの転換を呼びかけ、生物多様性、自然、海洋の保護にも言及している。DNBによると、グリーンディールにより、短期・長期の両方の社債のリスクプレミアムが高まった。
銀行融資における影響
ECBの報告書によると、排出削減目標を設定していない企業は、目標を設定している企業に比べ、平均して20ベーシスポイント高い月間金利を課されることがある。最も排出量の多い25%の企業は、最も排出量の少ない25%の企業に適用される金利よりも14ベーシスポイント高い金利を支払ってる。科学的根拠に基づく目標イニシアチブ(SBTi)の気候目標を適用する銀行は、排出量の少ない企業により低金利の融資を提供し、排出量の多い企業には高金利を適用している。
以上のように、EUの環境基準の引き上げにより、炭素排出の多い企業の資金調達コストが高まっている。これは、企業に排出削減への圧力をかける一方で、持続可能な投資を後押しするものと言える。今後、ベトナムなどEU以外の国にも影響を与える可能性があるため、注目が集まっている。
