UOBが発表した「ASEAN消費者心理調査」によると、ASEAN地域におけるマクロ経済への信頼感が全体として高まっていることが分かった。調査はベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイの5カ国で約5,000人を対象に行われ、指数は54ポイントと前年より1ポイント上昇した。50を超える数値は楽観的な見方を示している。
特にベトナムが際立ち、67ポイントと調査国の中で最高値を記録した。前年より3ポイント増加し、地域の中で最も強い消費者信頼感を示した。インドネシアは55ポイントと小幅減少、マレーシアは11ポイント増の53ポイントと大幅改善を見せた。一方で、シンガポールとタイは47ポイントにとどまり、特にシンガポールは米国の関税政策発表を受けた市場の混乱で10ポイント下落した。
UOBは、ASEANの消費者がマクロ経済には楽観的である一方、個人財務への見通しには慎重さが見られると分析した。賃金削減への懸念が42%から46%に上昇し、生活費の増加も消費者心理を圧迫している。実際にシンガポールでは2025年前半の生活費が前年同期比6%増となり、特に飲食や交通費が大きく上昇した。
それでもASEAN全体では79%が緊急時に備える資金を持つと回答しており、一定の耐性を備えている。ただしZ世代では7%が全く準備をしていないと答え、短期的な消費を優先する傾向が鮮明になっている。
今回の調査結果は、ASEAN消費者の心理が複雑に揺れ動く中で、ベトナム国内が際立った自信を持っていることを示している。これはベトナム経済の底堅さを反映するものであり、企業にとって同市場の潜在力を見直す契機となる。
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