ベトナム農林水産業は2025年、輸出額650〜700億USD(約9.6~10.3兆円)の達成を目標に掲げている。農業農村開発省(NN&MT)によれば、2025年1〜7月期の輸出額は397億USD(約5.9兆円)に達し、前年同期比14.7%増と大幅な伸びを示した。内訳は農産品215億USD(約3.2兆円)、林産品104億USD(約1.5兆円)、水産品61億USD(約9000億円)、畜産品3億3920万USD(約500億円)といずれも堅調である。
ベトナム政府は輸出の重点戦略として、従来の主要市場(中国、日本、ASEAN、米国、EU)を維持しつつ、アフリカ、南アジア、中東など新興市場への進出を強化する方針を打ち出した。また、単なる輸出量拡大ではなく、高付加価値化を目的とした「深加工」推進に軸足を移す。これにより、国際競争力を高め、価格変動リスクを軽減する狙いがある。
一方で、米国の新税制措置によるコスト上昇懸念が指摘されるが、ベトナム産エビやコーヒーなど代替困難な商品群は依然として強い需要を維持している。また、EVFTA、CPTPP、UKVFTAといった自由貿易協定が引き続き関税優遇をもたらし、輸出競争力を下支えしている。
ベトナム農業農村開発省のチャン・ドゥク・タン権大臣は、2025年の輸出額を少なくとも650億USD、可能であれば700億USDに引き上げる決意を示した。同省は業界団体や企業に対し、市場情報を踏まえた柔軟な対応を要請するとともに、内需市場(1億人超の人口を抱える国内消費)も併せて開拓することを呼び掛けた。
ベトナム農業農村開発省はまた、国際市場動向や輸出統計を定期的に発信し、企業の戦略立案を支援するとしている。こうした取り組みにより、農林水産業は2025年を通じて持続的成長を確保し、ベトナム経済の輸出主力部門としての役割を強化する見通しである。
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