ベトナム半導体産業の成長と人材育成の課題
ベトナムの半導体産業は成長の大きな機会を迎えているが、持続的な発展には人材育成が不可欠である。半導体はAI、通信、電気自動車など幅広い分野で重要視され、米国のインテルやアムコー、台湾のTSMC、韓国のサムスン、日本の大手企業がベトナム市場に注目している。しかし、シンガポールやマレーシアなど東南アジア諸国との投資誘致競争が激しく、適切な戦略が求められている。
ベトナム政府は、半導体産業の投資促進のために政策を整備しており、近年発表された政令57もその一環である。政府の支援により、半導体だけでなくAIや医療分野の人材育成と技術発展が進められている。特に、米国との関係強化により、大学や企業との連携が深まり、研究開発や人材育成が加速している。
半導体分野の人材不足を解消するため、大学・企業・政府の連携による教育モデルが必要とされている。米国の大学では、半導体分野の教育が体系的に整備されており、ベトナムの教育機関もこれを参考にできる。例えば、ハノイ工科大学とアリゾナ大学の協力のように、米国の専門機関と提携し、専門知識を持つ講師を育成することで、次世代の技術者を養成することが可能となる。
また、ベトナムは今後10~15年で5万人の半導体技術者を育成する目標を掲げているが、実際の職務内容を明確化することが重要である。半導体設計、材料製造、パッケージング、品質管理など、業界全体のニーズに対応した教育カリキュラムを整備する必要がある。
インテルはすでに20年以上ベトナムに進出しており、高度な技術領域へと業務を拡大している。しかし、ベトナムがチップ設計分野で競争力を持つためには、どのレベルの設計を目指すのかを明確にし、中国やインドとの競争に対応できる戦略を構築する必要がある。
今後、半導体産業を発展させるためには、長期的な戦略と実行可能な人材育成計画が不可欠であり、政府・大学・企業が連携しながら、持続可能な成長を実現することが求められている。
