ベトナムの医療改革と持続可能な発展
ベトナムの医療分野は、母子健康の改善、医療人材の確保、非感染性疾患の予防、抗生物質耐性の対策、科学技術の応用という5つの重点課題に取り組んでいる。
母子健康の改善では、妊産婦と乳幼児の死亡率低下が進み、2023年には5歳未満児の死亡率が18.2‰に減少した。妊婦健診や出産時の医療従事者の関与が強化され、ワクチン接種の普及により、健康管理体制が全国的に整備されつつある。
医療人材の確保においては、ベトナム国内の医療教育機関が拡大し、2023年には1万1,297人の医師、8,470人の薬剤師、1万8,178人の看護師が卒業した。2024年の目標として、人口1万人あたり14人の医師、3.08人の薬剤師、18人の看護師を確保することが掲げられている。
非感染性疾患の予防に関しては、心疾患、糖尿病、がんなどの発症リスクを抑えるため、禁煙促進や酒類消費抑制、運動習慣の啓発が推進されている。特に、喫煙とアルコール消費は脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めるため、政策的な介入が強化されている。
抗生物質耐性問題では、誤用や乱用が深刻化し、病院内の感染症治療が困難になっている。この課題に対処するため、ベトナム政府は2013年に国家行動計画を策定し、2023年には2030年までの新たな対策方針を発表した。医療機関や農業分野と連携し、適正な抗生物質使用を徹底することが求められている。
医療分野の科学技術応用では、高度医療技術の導入が進んでおり、臓器移植、再生医療、遺伝子治療などが発展している。また、国内の医薬品やワクチンの研究開発が強化され、国際基準に適合した新薬や治療法の確立を目指している。
これらの取り組みにより、ベトナムの医療システムは強化され、健康改善と持続可能な医療の発展に向けた基盤が整いつつある。
