ベンチェ省(Ben Tre)の基本情報│ベトナム63省を徹底解説

ベンチェ省の特徴

本レポートでは、ベトナムのベンチェ省の概要を網羅的に解説する。

ベンチェ省はメコンデルタ地方に属し、ホーチミン市から86km、カントー市から 120 km の距離にあり、北はティエンザン省、西と南はビンロン省とチャビン省、東は東海に接している。

2019 年時点で人口は約 12 億 6,400 万人、人口の 60% 以上が労働年齢で、職業訓練を受けた労働者の割合は約 36% を占めている。

同省は工業開発に積極的であり、他の省や都市から多くの労働者が移住している。移住した労働者は、ベンチェ省の全労働者数の 85%を占めている。

最低賃金について、最高がクイニョン市 (地域 III) で 364万VND/月となり、他の地域 (地域 IV) は 325万 VND/月である。

一人当たりの平均収入は、2021 年に年間 4,510 万ドンに達した。

道路：ベンチェ市は、ホーチミン市 (ティエンザン、ロンアン経由) と繋がっている。 Rach Mieu 橋と Ham Luong 橋は、同省の経済とメコンデルタ地方の他省の経済の懸け橋となる。

水路: 同省はミトー、バライ、ハムルオン、コーチェンの 4 省に大きな川が流れている。ベンチェの大きな河川と東海にはさまざまな種類の海産物があり、同省の海産物加工産業発展に寄与する、非常に豊富な原材料の供給源となっている。

現在、ベンチェ省には 3 つの漁港、Giao Long 工業団地の近くに 1 つの港、Ham Luong 川に 1 つの貨物港がある。

漁業: ベンチェ省は水産資源に多くの強みがある省であり、海岸線は65キロで、漁業や養殖に便利である。また、メコンデルタ地域の大きな穀倉地帯でもある。

園芸経済：同省は全国最大のココナツ栽培面積(約 51,560 ヘクタール)を有し、その他の農産物も多く、高い経済効果をもたらしている。

工業団地の数: ベンチェはザオ・ロン工業団地の形成に加えて、アン・ヒエップ工業団地が稼働中である。

ベンチェ省の工業団地の賃料は、メコンデルタ略域の他省よりも安く、１リースサイクルあたり20-25USD/m2である。

ベンチェ省の稼働中の工業団地は以下の通りである。

工業団地名	面積（ha）	主な産業
ザオロン	68	海産物加工業、革製品製造業、食料品製造業、機械産業、サービス業
アンヒエップ	70	農林水産加工業、飼料製造業

本章では、ベンチェ省の経済を解説する。

2021 年に、ベンチェ省の国内総生産 (GRDP)は 60 兆 350 億 VND (28 億 3000 万ドルに相当) に達した。同省の一人当たり GRDP は 510 万 VND である。

ココナッツの生産・加工、海産物の加工を中心に、加工業・製造業が同省全体の産業の 95% 以上を占めている。

2021 年末時点、ベンチェ省の企業総数は 3,473社、新規設立企業数は 418社である。

2022 年 4 月時点、ベンチェ省への外国直接投資は合計61件で、総投資金額は16億米ドルを超えた。主な分野は再生可能エネルギー、農水産物加工、電子工学、裾野産業、衣料品などである。

ベンチェ省は、商業、工業、技術、農林漁業加工、および人材育成の分野で海外投資を誘致している。

ベンチェ省に投資されている61件のFDI案件のうち日本は4件のみで、総登録資本金は約 7,900 万米ドル、同省の FDI 総資本の約 5% を占めている。主に自動車や衣服を生産する案件である。

ベンチェ省における100％日本資本のプロジェクトは以下の通り

案件名	投資主	分野	投資年
ベンチェNidec Tosok工場	ベトナムNidec Tosok Precision会社 (Nidec Tosok Japan)	自動車部品の製造	2012