キエンザン省(Kien Giang)の基本情報│ベトナム63省を徹底解説

キエンザン省の特徴

本レポートでは、ベトナムのキエンザン省の概要を網羅的に解説する。

キエンザン省はメコンデルタの北西部、ベトナムの南西部に位置する。南西部では最大の面積を持つ省であり、南部では（ビンフォック省に次いで）2番目に大きな省である。北はカンボジアと54kmの国境を接している。

キエンザン省の中心地は、カントー市から約120km、ホーチミン市から約250kmのところにあるラックギア市である。タイ湾に浮かぶキエンザン省の島々には大小100以上の島があり、そのうち最大の島はフーコック島、最遠の島はトーチュ島である。

キエンザン省は、メコンデルタで2番目に人口の多い省である。2021年の同省の人口は175万2300人で、そのうち都市人口は50万4400人（同省の総人口の28.8％を占める）、農村人口は124万8000人である。人口密度は276.人/km²である。

キエンザン省は、人口の70％近くが労働年齢に達する「黄金人口」構造の時期にある。

地域の最低賃金：最も高いのはラックギア市、ハーティエン市、フーコック市（地域II）で416万ドン/月、最も低いのは地域IVで325万ドン/月である。

一人当たりの所得: 2021年、キエンザン省の一人当たりの所得は5800万ドン/人以上に達した。

道路:省内の主要道路は、国道80号、国道61号、国道63号、省道11号である。

海路:主要河川（カイロン川、カイベー川、ジャンタン川）に加え、キエンザンには総延長約2,054kmの運河網が密集している。

空路:キエンザン省にはRach Gia空港とPhu Quoc空港があり、交通の便が非常に良い。

漁業:省内には200km以上の海岸線がある他、多くの河川、山、島があり、養殖と漁業の発展に非常に優位である。また、6万3000平方km以上の漁場や沿岸には広い干潟があり、車エビ、アサリ、カキ、カゴ魚、真珠など経済価値の高いさまざまな水産物の養殖に非常に適している

観光:キエンザン省はフーコック国立公園、ウミントゥオン国立公園、フーコック島、ムイナイ観光地、ハンパゴダなど多くの自然景観で有名で、様々なタイプの観光開発のための好条件を有している。

さらに、キエンザン省は大規模な鉱物資源、林業開発、セメント生産、建設資材に適した土地を有している。

2022年現在、キエンザン省には5つの工業団地が計画提案され、政府からの承認を待っている。

本章では、キエンザン省の経済を解説する。

2021年、キエンザン省の工業生産額は47兆3000億ドン以上と推定され、2020年と比較して1.7％増加した。その中で、加工製造業は同省の工業生産額で大きな割合を占め、2020年と比較して1.44％増加した。

2021年末、キエンザン省の企業総数は8,071社、同省に新たに設立された企業数は1,304社である。

2022年6月末までで累積すると、キエンザン省は55のFDIプロジェクトを誘致し、登録資本金の総額は27億6200万ドル以上となった。

キエンザン省は主に観光と都市サービス開発を中心とした外資系プロジェクトを誘致しており、主にRach Gia市、Ha Tien市、Phu Quoc市を対象としている。キエンザン省のプロジェクトは、ハイテク農業、有機農業、太陽光発電、海洋養殖など、同省が得意とする他の分野ではまだ発展していない。

同省では、養殖や水産加工、観光-海洋サービスなど、海洋経済の発展に力を入れている。

また、同省では、再生可能エネルギー（風力、ガス、太陽光など）分野の工業団地への投資や、主要港への投資も呼びかけている。

日本とキエンザン省政府との間では、同省のインフラ投資を拡大するための協力プロジェクトがいくつか実施された。

2014年、神戸市（日本）はキエンザン省と協力して、フーコック島への給排水・排水処理システムの開発プロジェクトを初めて実施した。
最近、同省には総投資額約12億7000万ドルのBブロック-Oモンのガスパイプラインプロジェクトがある。これは、PVN社、PVGas社、日本の三井石油開発株式会社、タイのPTTEP社の間で事業協力契約という形で実施された。