ハノイやホーチミン市など主要都市で大気汚染が深刻化しており、その主因として交通における排気ガス排出が挙げられている。ベトナム石油ガスグループ(Petrovietnam)などが共催したシンポジウムでは、交通分野へのグリーン技術導入が2050年のネットゼロ達成に向けた最重要課題であるとの認識が共有された。
ハノイ工科大学のファム・フー・トゥエン准教授によると、ベトナム国内の大半の車両は内燃機関を使用しており、特にディーゼル車がNOxおよびPM2.5を大量に排出している。現在、NOxを窒素と水蒸気に最大90%まで転換できるSCR(選択的触媒還元)技術が最も有効な解決策とされている。この技術では、尿素32.5%と純水を混合したDEF溶液が使用される。
専門家らは、先進的排出基準の導入には、現場でのモニタリングおよび燃料品質の管理が不可欠だと指摘。自動監視技術の活用、交通計画の最適化、複数部門の排出源統合管理を組み合わせることが、都市の大気環境改善に向けた中核的アプローチになるとしている。
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