ベトナムへの米国産果物の輸入量が急速に拡大している。両国が「相互・均衡的貿易枠組みに関する共同声明」に署名し、ベトナムが一部米国産品の関税を0%に引き下げる方向で検討を進めていることが背景にある。2025年1~9月の米国産果物の輸入額は4億1300万ドル(約619億5千万円)に達し、ベトナム産野菜・果物の対米輸出額4億600万 ドル(約609億円、前年比60%増)とほぼ同水準となった。
専門家によれば、米国産品はブランド力と品質基準の高さで優位に立つものの、物流および冷蔵コストが高いため価格競争力に欠け、主に高付加価値層向けの補完的商品として扱われている。一方、ベトナムの消費者は「輸入志向」から脱却しつつあり、品質、原産地、栄養価をより重視する傾向が強まっている。
中間層・富裕層を中心に輸入果物の需要は増加しており、ベトナム市場は海外農産物企業にとって有望な成長機会となっている。同時に、ベトナム産果物が高級市場での差別化を進めることが、国内農業の持続的発展につながると期待される。

出所:Cafef
ベトナム経済・ビジネス関連の有料レポートはこちらからもご覧いただけます。


