ベトナム農業環境省によると、2025年1~10月期にベトナムはカシューナッツ原料260万トンを輸入し、総額40億1千万ドル(約6015億円)に達した。前年同期比で金額ベース38%増と過去3年間で最高水準となり、平均輸入価格21%上昇した。原料コストの高騰が明確に表れている。主な供給国はカンボジア(39%)で、次いでコートジボワール、ナイジェリア、ガーナが続く。
同期間におけるカシューナッツ加工品の輸出額は42億5千万ドル(約6375億円)と輸入額にほぼ並んだが、加工企業の利益率は縮小傾向にある。原料の80〜90%を輸入に依存しており、付加価値は殻むき、焙煎、包装といった工程に限られているためである。国内の原料生産能力はいまだ限定的である。
ベトナムカシューナッツ協会(Vinacas)は、輸入依存を低減し輸出価値を高めるため、国内栽培面積の拡大、深加工の推進、そして「ベトナム産カシューナッツ」の国家ブランド構築を急ぐ必要があると提言している。
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