ベトナムの工業用不動産市場では、入居企業が「スピード」と「柔軟性」を最優先する傾向が強まっている。Savills(ベトナムにも拠点を有するグローバル不動産サービス企業)によると、2025年上半期における新規FDI製造プロジェクト759件のうち54%が、土地を取得して建設する代わりに、あらかじめ建設された賃貸工場(RBF)を選択した。
インドチャイナ・キャピタル(Indochina Capital、ベトナムを拠点とする不動産投資・開発および資産運用会社)によれば、ベトナムは地政学的に有利な位置にあり、欧米資本を含む新たな投資の流入が続く。「中国+1」戦略を背景に、生産拠点を迅速に立ち上げられるRBFや賃貸倉庫(RBW)の需要が急増している。こうした施設は初期投資を抑え、行政手続きを回避できる点で中小企業に適している。
CBRE社(ベトナムで不動産仲介、評価、コンサルティングサービスを提供する会社)の報告では、南部工業地帯におけるRBFの稼働率は約89%、RBWは72%に達した。特にホーチミン市、ドンナイ省、バクニン省、ハイフォン市などで供給が集中し、外国企業の関心を集めている。生産と保管を兼ね備えた機能性の高さから、倉庫よりも工場型の需要が優勢である。
インドチャイナ・カジマ社(Indochina Kajima)は、クアンニン、ハイズオン、フートーなど戦略拠点でRBFを展開し、稼働率は好調に推移している。こうした動きは、世界的な供給網再編の中で、ベトナムが「即時稼働型」製造拠点として地位を確立しつつあることを示している。

出所:Baomoi新聞
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